株式会社コスモテック/代表取締役 高見澤友伸 氏


コスモテックは、粘着シート製造技術を軸に様々な商品を開発するメーカー。カーナビなどに使われる液晶パネルの一部品から、独自開発の文房具まで、幅広い商品を製造しています。
多彩な事業展開を行うようになった経緯や、話題のヒット商品について、高見澤代表にお話しを伺いました。

液晶向け事業が好調だった創業時
弊社は1989年に立川市で創業しました。
創業から一貫して、粘着シート製造が事業の軸となっています。
様々な業務用粘着シートの1つとして、液晶パネルの一部品となる、液晶向け粘着シートも製造していました。

創業時はテレビがブラウン管から液晶に置き換わっていった頃。
日本の液晶事業は世界的なシェアを誇っており、弊社でもパソコンやガラケー向けの受託案件が増し、売上のほとんどを液晶向け粘着シートが占めていくようになりました。


リーマンショックから事業を多角化、ヒット商品も
私が2代目の社長に就任した、正にその年。
世界中の経済を大混乱に巻き込んだリーマンショックが発生し、その影響から日本の大手メーカーが相次いで液晶分野から撤退していきました。
液晶向け粘着シートで支えられていた売上は下降の一途を辿り、社長就任1年目にして私は窮地に立たされてしまったんです。

しかし、この時があったからこそ、今のコスモテックがあると言えます。
液晶向け粘着シートだけに頼る「1本足打法」の危うさを経験したことから、以降、事業領域を「転写シール」「半導体」「自動車」「一般工業」「住宅施設」「医療・美容」へと多角化していきました。

2011年には世界初のPU系保護フィルムを上市し、カーナビなどのタッチパネル用に採用されました。
2010年に進出した中国を皮切りに、台湾、香港、韓国と相次いで現地法人を立ち上げ生産拠点を拡げたことが評価され、2013年には、「第1回TAMAブランド大賞」海外展開大賞を受賞。
その他、2015年度東京商工会議所「勇気ある経営大賞」奨励賞、2016年度東京ビジネスデザインアワード優秀賞、2018年には、多摩信用金庫から、優れた技術や製品などにより、今後の地域経済発展に貢献することが期待される企業に送られる「多摩ブルー賞奨励賞」を受賞しました。

最近注目を浴びている「wemo」は、これまでBtoB事業のみを展開してきた弊社としては初めてのBtoC商品。
あるデザイン会社との出会いから生まれたもので、商品力の高さから注目をいただき、現在は、弊社オンラインショップのほか、東急ハンズ、津々浦々の文具売り場でもご購入いただけます。

独自のコーティング技術により、油性ボールペンで書き、消しゴムや指で消し、繰り返し使用できるメモ。腕に巻くバンドやパソコンなどに貼るパッド、スマホケースやIDカードホルダーなど、豊富なラインナップをそろえています。
忘備録としてサッとメモするのに最適で、看護師の方や飲食店の店員の方などには、腕に巻くタイプをご活用いただいていますね。
オフィスでは付箋の代わりにご利用いただいており、「使い捨てしない」という点から環境へのやさしさも注目されています。
最近は、抗菌タイプが人気です。

wemoは、これまでの弊社の事業からかけ離れているように見えるかもしれませんが、商品の肝であるコーティングは粘着シートで積み重ねてきた技術から生まれたものです。
中小メーカーの宿命は、ニッチな市場を見つけ出すこと。
粘着シートの技術は、アイデア次第で幅広い商品を生み出すことができるんです。

弊社が取得した特許の数は15件のみですが、あえて特許を取得していない独自技術は数多くあります。
多角化していても、事業の根っこは粘着シートにあるんです。


コスモテックの事業を次世代へ
創業者から受け継いだコスモテックという会社を、次世代に承継することが今の一番の課題ですね。
wemoも含め、新規事業展開はその多くを私が担当してきました。
まずは、私だけにしかできない仕事を、少しずつ次世代の社員たちに委ねていく。
そこから始めたいと考えています。

実は、事業承継が無事に済んだら、挑戦してみたいことがあって…。
大学院で経営学を学び直して、博士号を取りたいんです。
顧問としてアドバイスをするためのスキルアップができるんじゃないかと思っています。
名刺に博士号を意味する「Ph.D.」と書かれていたら、格好いいじゃないですか(笑)。
会社を次世代に承継した後のことなので、私が口を出さなくても、次の世代の人たちがコスモテックを発展させてくれると思います。


企業情報
株式会社コスモテック

【事業内容】
粘着製品の印刷・加工・開発及び製造販売
粘着シート・テープの開発及び製造販売
印刷インクの開発製造
転写シール(熱・溶剤・感圧)の開発及び製造販売
上記に関するコンサルティング

【代表者】
代表取締役 高見澤 友伸

【所在地】
本社
東京都立川市錦町5-5-35

海外拠点 开思茂电子科技(苏州)有限公司
江苏省苏州市吴中区胥口镇灵山路东欣工业小区7栋

株式会社コスモテック
https://www.cosmotec.ne.jp/

wemo online shop
https://store.wemo.tokyo/


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  • 株式会社伝遊堂/代表取締役 近藤信彦 氏


    ゲーム業界に携わる2人が2020年2月に起業した伝遊堂。
    ゲームの開発をはじめ、お出かけガイドサービス「SHIOLINK(シオリンク)」の提供を行っています。
    開発した作品への思いや今後の展望など、代表の近藤社長にお話をうかがいました。

    芸人の卵が独自開発のゲームを誕生させるまで
    私は学生時代、お笑い芸人を目指していたんです。残念ながら芽が出ずに美容総合商社へ就職しましたが、エンタメへの気持ちが捨てきれず、ゲームクリエイターの教育機関であるバンタンゲームアカデミーに転職。多くの企画やイベントで経験を積むことができました。

    徐々に「世の中を自分の力で面白くしたい」という想いが膨らみ、同機関で出会った山田と共同で2020年2月に伝遊堂を立ち上げました。
    会社設立後、最初に行なったのは「Project Utopia」というゲーム開発のためのクラウドファンディングです。目標金額を達成しないと資金が手に入らないという「All or Nothing方式」のクラウドファンディングだったのですが、あえなく失敗。起業したばかりで信用もない自分たちにとって、まずは実績を積む必要があると思い知らされました。

    起業2年目の2021年2月に、第1弾の独自開発作品として、「シーフガールズカルテット」というゲームを発売。世界中のゲームユーザーがダウンロードすることができるプラットフォーム「Steam」で販売したことが功を奏し、それまでほとんどいなかったTwitterのフォロワーが、販売開始と同時に1,000人になったんです。
    独自開発の1作目であることはもちろんですが、会社の認知度を向上させ、実績を作ることができたという意味でも思い入れの深い作品です。


    お出かけガイド「SHIOLINK」
    現在は、お出かけガイドの「SHIOLINK」というサービスに最も力を入れています。「SHIOLINK」という名前は、「しおり」と「人とお店をリンクさせる」という意味で名付けました。

    2021年4月に「SHIOLINKアプリ(β版)」をリリース。アプリは、お出かけエリア、時間帯、予算、目的などを入力すると、自分の好みに合ったお出かけプランが「遠足のしおり」のように表示される仕様です。AIを活用してパーソナライズすることで、1人1人にあったお出かけプランをマッチングして提案できるようになっています。

    続いて、体験型お出かけメディアとして「SHIOLINK for WEBメディア」も6月にリリース。サイトには、お出かけプランの参考になる記事を多数掲載。記事を参考にお出かけのシミュレーションができます。現在カバーしているエリアは東京23区、立川市、横浜市、船橋市などの首都圏。WEBサイトをリリース後、最初の3週間でユニークユーザーが1,000と、まずまずの手応えを得ることができました。

    現状は仕込みの段階と考えていて、まずは魅力的なコンテンツをたくさん増やしていきたいですね。
    ゆくゆくは広告収益のほか、ユーザーがしおりを無制限に作成できる有料会員の仕組みを提供するなどして、マネタイズしたいと考えています。


    SHIOLINKアプリ(β版) / SHIOLINK for WEBメディア

    進化発展する「SHIOLINK」
    今後は、SHIOLINKに「お出かけ優先入場クーポン」「店舗のサービスクーポン機能」といった、様々な機能の追加を企画しています。カバーエリアも日本全国へ拡げたいですね。サービスを拡充することで、ユーザーのお出かけ体験をよりよいものにしていきたいと思っています。

    SHIOLINKのパーソナライズAIは、ユーザーに合わせた情報を選択することが可能。
    SHIOLINK自体はBtoCのサービスですが、例えば、取引先のニーズにマッチした情報提示や、社内の情報整理・ナレッジの共有など、ビジネスツールとして活用することもできます。既にお問い合わせもいただいていますので、機能を発展させ、用途に合わせた開発も進めていきたいと考えています。


    独自開発 第1弾の「シーフガールズカルテット」

    企業情報
    株式会社伝遊堂

    【事業内容】
    ゲーム事業
    エンタメ事業
    教育事業

    【代表者】
    代表取締役 近藤 信彦/山田 真充

    【所在地】
    東京都立川市栄町5丁目19番1号カーサフェリーチェ101

    株式会社伝遊堂
    https://www.denyudo.co.jp/

    SHIOLINK for WEBメディア
    https://www.shiolink.com/




  • 株式会社シーズプレイス/代表取締役 森林育代 氏


    保育所併設のシェアオフィス「Cs TACHIKAWA」、地域メディア「立川経済新聞」、男女平等参画ステーション「パラソル」ほか、多岐にわたる事業を行うシーズプレイス。
    地域の課題にフレキシブルに取り組み、様々な事業を展開する同社の森林社長にお話をうかがいました。

    働く母が起業し、地域の課題解決に取り組む理由
    シーズプレイスを立ち上げる前段階にさかのぼってのお話となりますが、私は自分の子育てを通じて様々な地域環境に問題意識を持っていました。
    子育て・家事・仕事を同時にこなすことは、私にとっては本当に大変なことだったんです。
    これは、私だけではなく、他のお母さんたちも同じ課題に直面しているのでは?と考え、働く母親たちが家庭と仕事を両立できるよう自治体に働きかけるため、武蔵村山市の市民委員として4年間活動。
    市民委員として活動をすることで、より具体的な課題は発見しやすくはなったものの、どうしても行政ではできることに限界があるというもどかしさを感じ、1つ目の転機を迎えます。

    市政に提言を行う立場ではなく、対等な関係で、行政と連携しながら地域課題を解決しようと考えるようになっていた私は、2012年に「NPO法人ダイバーシティコミュ」を設立。性別や年齢、属性によらず誰もが笑顔で暮らせる社会づくりを目指し、女性の創業・自立支援をはじめ、ひとり親支援、地域活性といった活動を行なっています。

    ダイバーシティコミュは2014年に、武蔵村山市の男女共同参画センターの指定管理事業者になり、順調に活動を続けていましたが、課題もありました。
    子育てと仕事の両立に悩むお母さんがいても、男女共同参画センターでは子供を預かることができません。就業や保育といった具体的な課題解決、最終的な出口支援を行う場所と組織が新たに必要だと考え、2016年にシーズプレイスを立ち上げたのです。
    これが、2つ目の転機ですね。

    シーズプレイスがまず手掛けたのが、立川駅南口のシェアオフィス・コワーキングスペース「Cs TACHIKAWA」と、それに併設する企業主導型保育施設「みらいのたね保育園」の設立。子育てをしながら働きやすい環境を提供できる施設を作ったのです。
    お子さんを預けた後、利用者さんはシェアオフィスで仕事に集中。夕方にお子さんを連れて帰宅するという利用の仕方が出来る点が大きな特徴。
    また、「Cs TACHIKAWA」は、東京都認定インキュベーション施設に認定されており、創業相談にも応じています。


    地域の課題解決のために、充実したサービスを
    シーズプレイスは、創業・就業支援ダイバーシティ推進子育て支援地域活性化という4つの領域において、事業を展開しています。

    創業当時からシーズプレイスには、まちづくり立川、子育て支援団体のワッカチッタのメンバーが所属しています。私だけの力では、これだけ多くの分野で充実したサービスを提供することはとてもできませんが、一緒に働く仲間たちに恵まれ、役員・社員の「やりたい」をひとつひとつ実現していくことで、多様な事業を展開できるようになりました。

    創業・就業支援
    人材紹介事業「Cs Works」では、子育てや介護などで中断したキャリアを多摩地域ならではの「職住近接」の形で復活。地域経済の活性化に繋げています。

    東大和市創業チャレンジ施設「チェレステ・ガーデン」には、カフェを併設した保健所許可・菓子製造業許可・飲食店営業許可の取得可能なシェアキッチンと、レンタルサロンを完備。起業家の創業・開業の支援をすることで、地域商店街の活性化を目指しています。

    また、シェアオフィス・起業支援を行う「Cs TACHIKAWA」のほか、「リビング多摩×Csカルチャークラブ」の運営、創業相談・セミナー開催・講師派遣なども行っています。

    子育て支援
    「みらいのたね保育園」では、体調不良児保育も行っており、働く親に寄り添ったサービスを提供。また内閣府の企業主導型保育事業に基づき、認可保育園と同程度の施設基準と保育料で、働き方に応じた多様で柔軟な保育サービスを提供しています。
    その他、「みらいの森プロジェクト」では、季節ごとの小学生向けのプログラム「森のがっこう」や、自然の中で過ごすおやこ教室「おひさま」といった事業を展開。

    ダイバーシティ推進
    くにたち男女平等参画ステーション「パラソル」では、家庭や仕事のお悩みを、相談員、弁護士、専門家に相談が可能です。
    武蔵村山市の地域人材確保・育成支援事業、武蔵村山市「緑が丘ふれあいセンター」の指定管理事業も行っています。

    地域活性化
    立川圏のビジネス&カルチャーニュースを扱う地域メディア「立川経済新聞」を運営。
    「玉川上水まちのデザイン室」は東大和市指定管理者として運営しており、ハンドメイド作品販売・ワークショップ・作品展などに利用していただいています。
    また、武蔵村山市の街バルイベント「むらり~」の企画運営にも携わっています。

    1つ1つの事業はバラバラに見えるようでいて、「幸せに、働く」をデザインし、暮らしに新しい価値を生み出すという大きな幹からブレない展開をしてきているつもりです。

    シーズプレイスは現在、立川市・国立市・東大和市・武蔵村山市・国分寺市で事業を展開しており、8月から清瀬市のコワーキングスペース事業の運営を始める予定。
    今後も地域の課題に向き合いながら、活動の幅を広げていきたいと思っています。


    提供するのは「いま、必要な事業」
    これまでも、これからも変わらない信念は「目の前にある課題に、知恵を絞ってチャレンジすること」。
    ですから「この事業をやりたい」という答えが先にあるわけではなく、「私たちが暮らす多摩地域には、どのような課題があるのか?」ということに常にアンテナを張っています。

    例えば、コロナ禍による女性を中心とした働く機会の減少は、現在社会が直面している課題。
    シーズプレイスがこの課題を解決するためにできることは、ITを活用したリモートワークの推進や、シングル女性向けのシェアハウス運営なども考えられます。

    これからも、時代に応じて変化する課題に合わせた解決策を考案し、事業を提供していきたいと考えています。


    企業情報
    株式会社シーズプレイス

    【事業内容】
    創業・就業支援事業
    子育て支援事業
    男女共同参画推進事業
    地域活性化事業

    【代表者】
    代表取締役 森林 育代

    【所在地】
    東京都立川市錦町1-4-4サニービル2F

    株式会社シーズプレイス
    https://csplace.co.jp/

    NPO法人ダイバーシティコミュ
    https://www.diversitycommu.jp/




  • 株式会社けやき出版/代表取締役社長 小崎奈央子 氏


    多摩の地域情報誌や食べ歩きガイドなど、多摩地域の情報を雑誌・書籍として発行してきた「けやき出版」。
    4代目の社長に就任されて以来、「出版」という枠を超えた領域へと挑戦を続ける小崎奈央子社長にお話を伺いました。
    長年、地域密着型の出版社として知られてきた同社が目指すものとは?

    地域の皆さんと一緒に挑戦したいという想いで、先代からバトンを受け継ぐ
    当社は、1981年創業で、地域情報誌、ラーメンやカレーなどの食べ歩きガイド、歴史・民俗関連の書籍など、多摩地域を題材にした本を多数発行させて頂いて来た出版社です。
    多摩地域にお住いの方には、『たまら・び』を発売して来た出版社として名前を覚えて頂いている方が多いかもしれません。

    私自身も、国立市・小平市・昭島市と、途中引っ越しはあったものの、ずっと多摩地域で暮らし続けています。
    以前は、23区内にある出版社で自動車雑誌の編集の仕事をしていたのですが、子育てをしながらの都内への通勤が難しくなり、地元にある出版社で働きたいと考えて、2008年にこちらへ入社しました。
    当時は、まさか「自分が経営者になる」だなんて思ってもいなかったのですが、「地域の皆さんと一緒に新しい挑戦をしたい」という想いを持って、先代からバトンを受け継がせて頂いたのが2015年。
    当時、先代の社長は高齢だったため、会社を継ぐ人がいなければ会社をたたまざるを得ないという状況でした。

    「地域の方たちに支えられながら、30年以上も続いて来た会社がなくなってしまうことへの寂しさ」ももちろんありましたが、それ以上に「挑戦したい」という想いが強く、跡を継ぐ決意を固めました。
    一度たたむことまで考えた会社ならば、ゼロから立ち上げるくらいのつもりで、失敗を恐れず新しいことへの挑戦を!と、もともと担当していた編集の仕事にも社長業にも、全力投球をしています。
    会社を変革するためには、まずは代表である自分が先頭を切って走らなければ、社員たちにも、お取り引き先の皆様や支えて頂いている地域の方々からも理解を得られませんからね。

    社長になって5年なので、まだまだ挑戦を始めたばかりではありますが、社内の体制もだいぶ整備できたので、ここから事業を加速させていきたいと思っています。


    「出版」の枠を超えて、「まちと人をつなぐ」会社へ
    会社を継承するにあたって、企業理念を「多摩に出版の灯を」から「多摩のまちとひとをつないでいく」へと刷新。
    このフレーズには、出版という枠にこだわらず、地域の発展に寄与することができることであれば、事業として取り組んでいくという想いを込めています。

    この考え方の土台となったのは、2014年から編集長を務めて来た「たまら・び」の経験です。
    現在は『たまら・び悠』という名称で、多摩らいふ倶楽部さんの会報誌という形態になっていますが、私が編集長に就任した頃の『たまら・び』は、毎号、多摩地域にある1つの市町村にスポットを当て、地元で暮らす方々と一緒に企画や取材を行なうという参加型の編集スタイルをとっていました。

    もちろん、書店に並ぶものは雑誌なので、ビジネスモデルは出版という枠の中ではあったのですが、この雑誌を作り上げていく過程で出会った地元愛に溢れる方々との繋がりが、私たちの強みの1つだと感じています。

    当社が強みを活かして行なうべき事業は、地域の方々に参加して頂きながら、多摩の魅力を発信していくこと。
    そのためには、出版という手法をとることもあれば、Webを活用することも。
    さらには、「メディア」という枠さえも超えた展開も行なっていきたいと考えています。


    多摩エリアを「働く場所」へ、地域のブランディングに貢献したい
    今、私たちが力を入れている取り組みの1つに「TeiP」(テイプ)があります。
    東京都の「インキュベーションHUB推進プロジェクト」に採択された、多摩地域のクリエイターを中心とした創業支援事業です。

    多摩地域には420万もの人が暮らしていて、30の市町村が存在しています。
    地域の課題解決や魅力の発信には、地元に住むクリエイターの力が不可欠。

    そう考えた私たちは、地元の信用金庫、まちづくり会社、キャリアデザイン事業を行なうNPO法人の方々と一緒に、「クリエイター」、パートナーとなる「企業・行政・団体」、営業やマネジメントを行う「コーディネーター」の3者をつなぐプラットフォームとして、「TeiP」を立ち上げました。

    それぞれの立場の人たちが気軽に交流できる「TeiP BAR」(のちにBALL.BARに名称を変更)というイベントを開催したり、多摩エリアにクリエイティブな仕事を増やすための実践的な学びと交流の場である「TeiP SchooL」を開催しています。
    TeiP BARやTeiP SchooLに参加して頂いた地元のクリエイターさんたちと一緒に、多摩地域の魅力を発信していく。
    これが、まさに経営理念「多摩のまちとひとをつないでいく」を具現化するための第一歩です。

    そして、TeiPに関わって下さった方などの力を借りながら2020年6月に創刊したのが、『BALL.』という雑誌。
    「多摩地域の仕事」をテーマにしたもので、Webやイベントとも連動した展開をしていきます。

    仕事にスポットを当てたのは、多摩地域を「都心へ通勤する人たちのベッドタウン」としてではなく、「働く場所」として魅力あるエリアだということを発信したかったから。
    『BALL.』という媒体を通じて、多摩で暮らすことに誇りを持てるような地域のブランディングに貢献できれば幸いです。


    企業情報
    株式会社けやき出版

    【事業内容】
    ●一般書・地域の本の出版
    ●自費出版・社史・カタログの制作
    ●WEBサイト用取材・原稿作成
    ●自治体・企業を中心としたPR発行物の制作
    ●クリエイターの創業支援

    【代表者】
    代表取締役社長 小崎奈央子

    【所在地】
    〒190-0023
    東京都立川市柴崎町3-9-6 高野ビル1F

    【URL】
    https://keyaki-s.co.jp/