株式会社夢現舎/代表取締役 飯田公司 氏

「たまりば」編集部

2021年09月03日 09:00

通信技術を活用したコミュニケーションで、企業や地域の課題を意欲的に解決し、人々の暮らしを豊かにしている夢現舎。
同社が掲げるビジョン、そこから生まれた技術とは?飯田代表にお話をうかがいました。

明るい未来を実現する道具、ビジョナリー・ウェア
私は大学卒業後、制御系システム会社に入社し、システムの開発現場を23年間経験しました。その後、独自のサービスを開発・提供したいと考えるようになり、2008年に夢現舎を設立。

夢現舎が目指しているのは「日本文化をICT/IoTで支援する、ビジョナリーウェアカンパニー」です。
「まぶしいくらいに明るい未来(ビジョン)を実現する道具(ウェア)」という思想で開発を進めており、そうして開発した製品・サービスを『ビジョナリー・ウェア』と呼んでいます。導入、利用が開始されて終わりではなく、導入した時点から成長や進化が始まる。『ビジョナリー・ウェア』という言葉には、弊社の想いが込められています。

設立当初から、ソフトウェア受託開発の他、国会議員選挙の世論調査や出口調査のコンサルティング業務、サーバーホスティングサービスといった事業を行っています。
出口調査のシステムは、大手通信社を通じ民放や新聞社で発表される情報の土台となるもの。皆さんが選挙速報などでご覧になっている情報の、インフラ部分を担当しています。


場所や人に合わせて、情報を発信
2014年からはiBeaconを用いたサービス「mD-Signage」の提供を始めました。
iBeaconとは、近距離無線技術「Bluetooth Low Energy(BLE)」を利用し、Beacon端末にBluetoothを搭載したスマホを持って近づくと、情報をスマホに表示させることができる機能。

この新サービス誕生のきっかけは、以前は多く見かけた電車のつり革広告を見かけなくなったことです。
交通広告は、沿線地域の情報を消費者に届けるのに便利な存在でしたが、スマホの普及で電車内の広告を見る人が少なくなってしまったんでしょうね。
それならばと逆転の発想で、「スマホを交通広告に代わる広告媒体にすることができないか?」と考えました。
iBeaconを用いると「鉄道沿線の住民向け」という大まかな切り口ではなく、「今この場所の半径10m以内にいる人向け」といった情報発信が可能です。

弊社が開発したiBeaconを用いた情報配信サービス「mD-Signage」は、東京タワー、増上寺、浅草エリア、小田原城、栃木市などでご利用いただくここができ、多摩地域でも八王子市の「日本遺産『桑都物語』音声ガイド」、「八王子まつりガイド」、「八王子生活ガイド」、「八王子Short Film 映画祭ガイド」、多摩市の「たまのはし」、青梅市の「御岳山まるごとガイド」などでご利用いただいています。
多言語対応も可能なため、外国人観光客の方にも観光地やイベントを楽しんでもらうことができるサービスとして、東京を中心に、各地の観光地で導入していただいています。

また、産学連携の地域プログラムとして、東京工科大学様との連携で、八王子の音楽情報キュレーションサービス、香川大学様との連携で、香川県高松兵庫町商店街の活性化施策としても活用いただきました。

アプリを使ったサービスは、ユーザーに個別のアプリをインストールしてもらうこと自体が難しく、大きな課題でした。「mD-signage」で使用するアプリは、1つのアプリを各導入先で画面を切り替えて使用でき、ユーザー獲得のハードルが下がる点も優れた特徴のひとつ。
アプリの個別インストールを省略し、ユーザーを共有する技術「アプリのインストール省略および利用者共有のシステム」は、特許も取得しています。


「mD-Signage」を全国、そして世界へ
東京2020オリンピック開催に向け、東京のコンテンツを中心に集めようという考えから、サービスの提案先も東京が大半でしたが、今後は「mD-Signage」ともに、地方へ展開を広げていく予定です。
個人的に温泉好きなこともあって、温泉のある観光地を中心に、日本全国を回りたいですね。その先の海外進出も構想中です。

今後も、会社設立時に掲げた「日本文化をICT/IoTで支援する、ビジョナリーウェアカンパニー」として、社会に貢献していきたいと思います。
企業情報
株式会社夢現舎

【事業内容】
インフラ事業、ICT/IoTサービス

【代表者】
代表取締役 飯田 公司

【所在地】
本社 東京都八王子市南大沢1-20-16
支社 東京都八王子市堀之内3-34-1 3F

株式会社夢現舎
https://www.mugensha.jp/

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